小さな美容室のためのミニマル経営術をご覧いただきありがとうございます。
このブログサイトの運営をしていますサロン経営のパーソナルトレーナー 伊藤護といいます。
サロン経営のパーソナルトレーナー伊藤護の自己紹介
このブログでは、サロン経営者として経営改善を図っていこうと考えているあなたに、「客層分析」の視点について解説していきます。ちょっと長い内容になってしまいますがよかったら最後までお付き合いください。
客層=年齢層だと思っていませんか?
美容室のマーケティング活動においても、「客層」というキーワードはよく耳にする言葉です。
「こちらのサロンの客層ってどんな感じですか?」
たとえば取引先とのやり取りの中であったり、経営者同士のやり取りの中であったり。
あるいは、求職者から
「こちらのサロンのお客様の層はどんな感じでしょうか。」
ただ、この時に用いられている客層というワードは、ほとんどが、
10〜20代の大学生、30代のママさん世代、40代のキャリア女性 etc...
なぜか「年齢層」での回答を前提にしているところはないでしょうか。
客層を分析する意義を考えたことはありますか?
先ほどの「年齢」という視点で客層分けする場合であれば、
「10〜20代の大学生」を増やすために学生応援キャンペーンを展開しよう!
「30代のママさん世代」は美容室に来るのが難しいから、キッズルームを設置しよう!
「40代のキャリア女性」により喜んでいただくためにエイジングケアメニューの導入をしよう!
客層を分析する意義は、それを
「サロンの施策の指針を定めるために」用いることにあります。
「それはそうだろう!」「何を当たり前のこと言ってるんだ!」なんて声が聞こえてきそうですが。
では、重ねて。
あなたのサロンでは
「サロンの施策の指針を定めるために」
「年齢層」以外にどんな視点でお客様を分析(層分け)していますか。
20代は、急には30代にならない。男性は女性にはならない。
先ほど示した「年齢」という層で輪切りにした客層(20代○%、30代○%)。
それ以外にも、たとえば男性女性といった性別での客層などもあるでしょう。(男性比率○%、女性比率○%)
しかしながら、小さな美容室(月間客数400名未満)がこの種類の客層データを前に、経営改善の施策を検討することにはあまり意味がないと私は考えています。
それは、その層自体に柔軟性がなく、あくまで情報として知っておくまで。
分析というよりも「傾向を知る。」という段階で終わってしまうと考えるからです。
簡単にいうと、たとえば年齢層。
20代の客を現時点で30代に変えることはできませんし。
性別層というのは、時点を問わず、経営者が努力をしても、男性を女性に変えることはできません。
営業努力がかなう分析をしてこそ、客層を知る意味がある
一方で、年間利用単価 ¥8,001〜 ¥10,000 の客層は、
自分たちの営業努力で増やしていくことも、減らしていくこともできるのではないでしょうか。
ヘアケアアイテム(店販品) をご利用されている客層と、ご利用いただいたことのない客層。
これもまた同じく。
自分たちの営業努力を及ばせられる範囲かどうかでお客様を層分けしてみると、また違った分析が生まれてきます。
そして違う視点での分析ができるようになると、必然、今までとは違う視点での施策が打てるようになっていきます。
*ちなみに「年齢層」「性別層」による分析を通して出てくる施策は、最終的に「その層のお客様を増やそう」で終わってしまうことがほとんど。具体的に何をするのかまで落とし込めるケースが非常に少ないんです。
ひとつの実例
「年間来店回数」での客層分けをご紹介しておきます。
たとえば、3ヶ月リピート率を評価指標においているサロン。
すると、年4回(12ヶ月/年 ÷ 3ヶ月)のご来店が必須になりますので、そこを中位(基準)客層とします。
3回以下の層が下位客層。
5回が上位客層。
6回以上が最上位客層となります。
一般にパレートの法則などとも言いますが、
おおよそ
6回以上・・・ 8%
5回 ・・・ 12%
4回 ・・・ 30%
3回以下・・・ 50%
そして5回以上ご来店の客層が作る売上がサロン年間売上の7〜8割を占める、というところがまあまあ異論のない相場ではないでしょうか。
いかがでしょうか。
じーっと。
じーっと。
6回以上・・・ 8%
5回 ・・・ 12%
4回 ・・・ 30%
3回以下・・・ 50%
この数字を眺めているだけでも、少なくとも
男女比が2:8だとか、
年齢比率がどのくらいか視点だけであなたのサロンの
お客様を眺めているよりも新しい施策のアイデアが浮かんでこないでしょうか。
step
1その客層分析から生まれてくる具体的な施策があるか
step
2その客層自体の柔軟性は高いか
あなたのサロンの実績を客層の視点から分析する上で、この2つのポイントを加えてみていただいて、より実効性の高い、具体的な施策に落とし込める分析を実行してみてください。
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